ところで、教会での式。
この国ではというかキリスト教圏では?、教会での婚姻届けは、役所の婚姻届とは別物である。

でもって、役所の婚姻届は離婚システムが無い代わりにアナルメントという婚姻届自体を無効にする手続きで離婚する事が可能となっている。
しかし、詳しくは知らないが、教会の婚姻システムではそういったシステムは無い宗派が多いようで、再婚の際に問題になるケースがある。

一方で、結婚式は教会の他に、市役所でも行える。
市役所の場合は、判事が取り仕切る。
教会も市役所も合同式とプライベートがあり、合同式は大抵土日に行われている。

費用自体は非常に安いが、教会の場合は当然ながらお布施が追加される。
以前、前妻の兄弟の結婚式で、金が無いので市役所の合同式にする....という事で、合同式に参列した事があったが、学校の教室のような市役所のセミナールームに20組位の新郎新婦が「普段着」で参加。

判事が教会の神父のような訓示?をたれて、次々と指輪交換とキスして、役所の書類に関係者一同サインして終了....という物凄くシンプルなものだった。
どうやら、この普段着で式ができる(当然学校の父兄参観のようにセミナールームの端に固まっている参列者も同様)という所が教会の結婚式より金がかからない....という根本理由のようだが、確か当時数百ペソでできたように記憶している。

ま、金の事はさておき、やはり五年以内離婚率50%越えを誇る?日比結婚だからして、ぶしつけながらオレは当然Bちゃんに市役所のプライベートを進めた。
ちなみに、オレも昔市役所のプライベートだった!(爆)

しかし、初婚の新婦にとってはやはり夢のバージンロード!
しかも、親族一同ドレスに身を纏い教会で結婚式を挙げるというのは一つのイベントだからして、なかなか地味な市役所という貧乏臭い結婚式を選ぶ新婦は皆無と言っていいだろう。
そこで、オレは昔「仏教徒だから教会の式はできない」とこれまた「神頼み」そのまんまのムチャクチャな言い訳をBちゃんに授けたが、どうやら失敗したようだ。

かくして、アキコばばあの策略の渦のど真ん中に飛び込むような史上最大の結婚式が開催されるところとなった。

さて、古びた教会の前で永遠に待たされるんじゃないか?という不安と戦いながら、所在なさげに待っていたオレ達だが。
この国のしきたりというかなんというか、特に誰が先導するという訳でもなく、いつの間にやらダラダラと皆教会に入り、何となく所定の位置につくと、さらに式の開始を待つという、これでもか!という程の待ち修行。

ここで、なにやら小冊子が配られた。
開いてみると、なにやら台詞台本のようになっている。
そう、これがアキコばばあの第一弾。結婚式台本であった!
神父と新郎新婦、そして参列者の台詞が事細かに書いてある。
式の進行はこの本の棒読みだ。
いろいろな結婚式を見てきたが、大抵は進行の概略が書いてある簡単な紙程度で、神父の説教まで一字一句こんなに細かく書かれた台本は初めてだった。そして、当然ながらそこには英語で新郎新婦の宣誓の言葉や神父との一問一答まで、細かく書かれていた。

ところで、オレ達ピン中砦守備隊は、オレがニノン、金髪Jちゃんはベストマンという名誉ある役目を仰せつかっていた。
ニノンは後見人だからして、最前列に男のニノン3名、女のニナン3名が着座、偉そうだが、やる事はと言えば最後に書類にサインするだけ。
ベストマンは新郎新婦のアシスタント役で、結婚指輪を預かったり、書類の署名を進行したりする役目だが、金髪Jちゃんはどうやら自分の役目はまったくわかっていないようだった(爆)。

そんなこんなでハラハラ続きの式だったが、何を隠そう一番ハラハラしたのはアキコばばあの隠し技、台本読みだろう!
何しろ、オレ達はもとより、Bちゃんもそんな台本の話しなんか事前に全然聞いてないよ!....状態。
神父の説教にイエスノーだけなら問題無いが、見てみると何だか長ったらしい新郎新婦の宣誓の言葉も書いてある。
どうなることやら...と見守っていると.........

なんだよ、Bちゃんスラスラと読んでいる!
ところが、対するN子は........全然読めてない!(爆)
残念ながらカラオケーナにはドレスは選べても結婚の誓いを英語で宣誓......というのは敷居が高かったか!
ま、しかしその辺はモゴモゴとお茶を濁して、式は淡々と進み.....予想通り金髪Jちゃんはベストマンの役割をほとんどこなせず.....それでも式は淡々と進み.....でもってオレの出番はサインだけ....という楽な役割で一時間近い式はやっと終了。

しかし、この後はやっぱり写真......延々と写真。
このあたりで、オレは朝からの待ち続けと教会の硬い椅子に座ったり立ったりで腰が痛くなってきた。
と思ったらBちゃんもサイズの合わないぶかぶかの靴と朝からの立ち続けで腰が痛いらしい(爆)

永遠に続くと思われる写真撮影に、オレは「新郎が腰痛いらしいから早くしろ」とまた渇入れ。
で、やっと収まって披露宴会場のリゾートホテルに移動と相成った。

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