その後、タクシーはキリノ交差点近くの交番で止められる事も無く、サンアンドレスを通って、マラテチャーチの横に出て、デルピラール通りを左に曲がった........

すると、この一方通行の狭い道でまた検問だ。
タクシーがゆるゆると通過する際に、警官がハンドライトで車内を照らし....オレの顔を照らすと獲物獲得と言わんばかりに、運転手に横に止めるよう合図を送って来た。

運転手は外に出されて車からかなり離れた場所に連れて行かれた。

マラテ以外の地域では、大抵こういう場合は運転手の車線変更違反、時間帯別の通行規則違反、服装違反、車両整備違反、等が多く、運転手は100p~500pの賄賂で開放される。

しかも、他の地域ではまずは運転免許証の提示から始まり、違反内容を告げられてから、交渉に入る為、車から出て少し離れた場所に行く(車自体が移動する場合も有るが)のが通常のパターン。

しかし、今回は、警官が運転手にちょっと来い....と、いきなり連れ出された。
これはターゲットが運転手じゃない事を表してる。
案の定、運転手が車から離れると、今度は後ろに座っているオレの横に別の警官が来て、ドアを開けろと......

オレはドアを開けて待ってると....
その警官は「どこ行くのか」と聞いてきた。
ここで、飯食いに行くとか、飲みに行くとか答えると、後でタカられる原因となるので、オレは帰る所と答えた。

すると今度は「仕事は何してる」と聞いてきた。
これも誘導尋問で、マラテでは不法就労日本人が大量に居るので、そのひっかけ尋問。
ちなみに、旅行者と答えると、逆立ちしてもコンプレインなんか出来ないだろうとナメまくられて、さらに図々しくなるのが一般的。

それに対しオレは、「ああ、ここに家族居るから」と答えた。
警官は「どこに居るんだ」と聞いてくるので、リサールに住んでると答えると.........
OK、サンキューと何故か握手をしてきたが、この握手はタカり対象からまんまと逃れておめでとう意味だ。
ここで、LAかどこかの得体の知れないババエなんか乗せていたらイチコロだった所だが........

オレはこのやり取りを覚えるまで、今まで相当数マラテ付近の検問では止められた。
かなりの回数になるが、はっきり言えるのは、ライトで顔照らされて止められるのは「夜のマラテ地区だけ」という事。
しかも、こんなナメた質問されるのも「夜のマラテ地区だけ」という事。
今回は違うが、顔覚えられると、毎回止められるというのも「夜のマラテ地区だけ」。
上に書いた通り、飯食いに行く所とか、飲みに行く所とか答えると、あろう事か、オレ達も腹減ったとか、良い場所知ってるから行こうとかタカるのも「夜のマラテ地区だけ」。

ここ十年近く、マカティーでもオルテガスでも検問でライト照らされた事は何度もあるけど、一回も止められた事は無い。

つづく