さて、逃亡前夜のマニラミーティングで、Bちゃん夫妻を前にしていろいろと話しを聞いていると、やはり若いピーナ妻とPフリークオヤジ独特の雰囲気を醸し出しているのに気がついた。

それは、言い換えれば朝日と夕日のコントラストだ。
実はこれが深くて長い河の一面でもある。

カミさんは日本に行って二年目。
マニラのカラオケでは幾ら稼いでいただろうか?
売れっ子であったとして月20000ペソか30000ペソか?
それでも日本円では4万円から6万円と言った所だ。
しかし、日本では給料激減したと言っても、その数倍は稼げる訳だ。

しかもカミさんの話しを聞くと、金を蓄え将来は自分の仕事をしたいらしい。
こういう話しがまともな話しか、適当な話しかは別として、大抵のジャパユキはそういう夢にチャレンジしたいと言う野望を持っているものだ。
そういう訳で、日本へ行って二年という彼女はまさに日昇る勢いと言えた。

一方で、Bちゃんは改めて書かなくとも、あと年金出るまで細々と田舎で貧乏庵生活を楽しみたいという、もう日が暮れる直前の人生を生きている訳で、このコントラストはPフリークオヤジと20代ピーナのカップルではよくお目にかかる。

カミさんはバンバン稼ぎたいのだ、片田舎の漁師の娘として貧乏のどん底で生まれた彼女は、稼ぎ頭として家族の女王の座に君臨し続けたいのである。
家も欲しいし、車も欲しいし、歳とっても稼げる自分の仕事が欲しいのである。

片田舎のパレンケで、値切って買った食材で細々と夕飯を作って子供と歳取った旦那三人で飯を食うなんて生活は論外な訳だ。

かくして、これからの人生の為に金を稼ごうという気合の入ったカミさんと、田舎で食っていければいいじゃないか..と、人生消化試合状態に入っているBちゃんの話しは、まったく噛み合わないまま、逃亡前夜マニラミーティングの時間は過ぎていくのであった。

つづく