2006年06月

ダバオ紀行~スーパーフェリーの旅~その五

マニラのサウスハーバーもそうだが、フェリーの港というものは大体が貨物港と一緒になっていて、非常に殺伐とした場所で、しかも何も無い......

途中寄港地も何も無いという意味ではどこも似たり寄ったりだった.......

その中で興味深かったのは、ポーターの仕組みだ。

寄港地に寄る度に下船する乗客が居る訳だが、ポーター達は港に整列し、手荷物だけの客が降りた後に船に乗り込んで来るのだ。

フィリピン人は兎に角おみやげ好きだ。「パサルボン」はクレクレタコラの合言葉と化して誰彼構わず旅立つ者に投げかけられる。

かくして、フェリーの船内には寄港地に寄る毎にどこからかの避難民かと思う程の大量の荷物を廊下に出してポーターを待つフィリピン人でごった返すのだ。

そんな中を、港では秩序正しく整列していたポーター達がたった一回の荷物運びで稼ごうとするせいか、殺伐とした形相で船内を駈けずりまわるのだ.......荷物も多いせいか、近くで聞いていると料金も数百ペソと結構高い金額で交渉していた........

オレも山猫もバックパック一個なので、ポーターの心配は無かったのだが、そういう光景を見ながら、ふとダバオ港に夜着でホテルまでの足はどうすればよいか少し心配になって来た。

もちろん、そういう場所なので金さえ払えばなんだって手に入るだろうが、マニラと違い土地勘が無いので、金額交渉が難しいと思ったのだ....

ダバオ港に到着すると思った通り何も無い荷揚げ港の一角に降ろされた。そこから100m程の場所に港のゲートがあり、そこまでは港内バスが空港の移動バスの如く送ってくれるのだが、誘導員が「無料ですから乗ってください!」と何処へ行くバスかも説明せずに無料を強調しているのが笑えた..........

ゲートに着くと、案の定雲助がワンサカ客引きをしていた。
ゲート前はそれ程大きな通りでは無く、右も左もわからないのだが、兎に角この客引きの真っ只中に居るのは得策では無いと、通りを横切り反対車線まで歩くと、そのまま車両の進行方向に沿って移動を始めた....

なかなかシツコイ客引き達もドンドン歩いて行ってしまう手荷物も無い外国人より、溢れる程の手荷物で身動きも出来ないフィリピン人の方が鴨り易いと考えているのか反対車線に移動した時点で周りからは居なくなった..........

港通りらしく、大型トレーラー等がガンガン通る中、数分で空車タクシーが通りかかり、無事メータータクシーを捕まえる事が出来た........

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ダバオ紀行~スーパーフェリーの旅~その四

スーパーフェリーについては前述の通り事前にHPから情報を取っておいたのだが、チケット記載事項を良く見るとHPとは若干の違いがあるのに気がついた。

ダバオへの到着時間がチケットには翌々日の昼到着とあるが、HPには夜の8時過ぎと書いてあった.............

しかも、チケットにはジェネラルサントスには翌日の昼には到着とあり、さらには何故かダバオには翌日の昼過ぎとありダバオから24時間もかかる事になっている.........

結果から言うと、実際にはHPの情報通りで、ダバオ到着時刻は翌々日の夜だったし、ジェネラルサントスには翌々日の午前中に到着したのだった.....

しかし、良く考えてみれば、ジェネラルサントスから乗り込む客はチケット記載の時間は12時間以上も前の時間で、しかもその四時間前に港に来い!という事は日付を間違えているに等しい位前に港に行く事になるのだ。もちろん何も無い港では一旦引き返す事になるのは間違い無い。

そう考えると途中の寄港地からの利用は少し考え物かもしれない...........

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ダバオ紀行~スーパーフェリーの旅~その三

さて、スイートルームに関しては前述の通り可も無く不可も無く...という感じだろうか?

オレがドメスティックなイメージを抱いたのは食事だった.........

スーパーフェリーのチケットは食事有りか食事無しかを選べるのだが、オレは当然ながら食事有りを選択したのだが.....

ビジネスクラス以上の個室客スペースに有る食堂「ホライズン」ではチケットを見せると、チケット掲示分の食事をする事が出来る。

オレは早速乗船日初日の昼飯からこの食堂で食う事になったのだが、残念ながらメシの内容はその辺のキャンティーンと大差無い出来で、出てくるスープはインスタント丸出し....食事は一品にメシワンスクープというキャンティーン仕様?

もちろん副食は数種類有料で用意されており、70ペソ弱で一皿の副食を追加する事が出来るのだが、どれもマカティの裏道に並んでるキャンティーン同様の味と量であった。

残念ながら、他のボロフェリーとまったくかわらないこのメシではスイートルームとの釣合が取れていない......

ちなみに、朝飯二食、昼飯三食、夜飯三食のメニューは以下の通りだった......

昼飯 コーンスープ、白身魚のフライ、スイートアンドサワーソース

夜飯 鶏肉の煮物? 何故かスープは無し

朝飯 トチノ、スクランブルエッグ添え、3 in oneのインスタントコーヒー

昼飯 コンソメスープ、イカの焼き物醤油ソース

夜飯 コーンスープ、ビーフカルデレータ

朝飯 バゴス、コールスロー添え、3 in oneのインスタントコーヒー

昼飯 コンソメスープ、チキンコルドンブルー

夜飯 コーンスープ、種類不明魚の切り身焼き物、トマトソース

ところで、ダバオに船で行く外国人は居ないのだろうか?
外国人は皆無の船内で、初日部屋の外に出た山猫とオレは何故か乗客の視線を集め、さらにはデッキの近くに座っていたおばちゃん連中に「チョコレートアンドミルク」等とこれ聞こえよがしにチズミスされ、これに懲りて山猫はそれ以来部屋の外に出なくなってしまった.....

食堂にも行きたがらない山猫に仕方なくマズイ飯を一人、食堂で好奇の視線を浴びながら掻っ込む事になったのだった.......

ダバオ紀行~スーパーフェリーの旅~その二

さて、今回同行した山猫はと言えば、当初から乗り気では無かった.......
元々知らない物に対しての探究心に疎く、警戒心旺盛な野生動物なので当然と言えば当然なのだが......

しかし、生活環境に関しては異様に敏感な山猫が今回のスイート尽くしの旅でどのような反応を示すかは、オレのもう1つの興味でもあったのだ.......

小奇麗なフロントでカギを受け取り、少しくたびれてはいるものの、フェリーに乗っているとは思えないようなホテル仕様のスイートルームに入ると、山猫は野生動物そのものの警戒心丸出しの様子で部屋中を見渡した後、ソファーにちょこんと座り込んだ......

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オレはこういう場合のてもちぶたさを紛らわす為に文庫本を何冊か用意して来たのだが、山猫は本等読まない上に例の携帯騒ぎで携帯も持たず、暇潰しのtexも出来ないという状態だった......

部屋を一通りチェックし終えたオレは、山猫が一番馴染み易いと思われたテレビを点けるとリモコンを渡した......

2泊3日の船旅なので、オレは荷物を解き終わるとベットに寝そべって文庫本を読み出した。すると山猫も真似たつもりなのかベットに寝そべりいつもの通りテレビのサ゜ッピングを始め、やっと場の雰囲気に馴染んできた様子。

スーパーフェリーとは言え、特に楽しめるエンターテイメントがある訳では無い。五階建てビルの屋上と同じような高さのデッキから眺めるフィリピンの内海の景色と、スタビライザーの効果もあってか殆ど揺れを感じないビジネスホテルの一部屋のようなスイートルームで静かに過ごす以外にはこれといった楽しみ方も無いかと思われるスーパーフェリーは、しかしオレには十分なフリータイムを堪能させてくれたのだった.....

PS
そういえば事前にスーパーフェリーの部屋のエアコンはオフ出来ないので寒い...という指摘があったのだが、オレの入ったスイートルームにはこれまた古風なエアコン温度調節機が壁に張り付いていた....古いホテルなんかで見かける四角い箱型のもので、下の方を探るとダイアルが付いていてなぞるように動かすと前面の温度調節針が動くという代物だ....これを使ってある程度部屋の温度を調節する事が出来た。

ダバオ紀行~スーパーフェリーの旅~その一

さて、先週の小旅行をまとめておかなければならない。
先月までの2ヵ月間のトーナメント参戦に対する最後のご褒美........それが今回のダバオ旅行だった。

前から乗ってみたかったスーパーフェリー2泊をかけてダバオへ............

今まで、バタンガスや、地名は忘れたがビコール等の港から出るボロフェリーのタコ部屋のような硬いベットしか乗った事の無いオレは、この国で一番豪華なフェリーのスイートルームの旅はどのようなものか非常に興味があった........

フェリーのチケットは何処で買ってもよかったのだが、一応スーパーフェリーのHPで金額を確認の上、それより安い旅行代理店を探してみたが、結局一番安いという訳では無く、手間を避け帰りの飛行機のチケットと併せた形で、スーパーフェリーのチケッティングは初めてだという知る人ぞ知るD社にお願いする事にした。

朝の8時過ぎに出航のスーパーフェリーはダバオまでの途中、イロイロ、バコロド、ジェネラルサントスに寄港し、ダバオへは翌々日の夜到着らしい。さらにチケットを見ると、何と出航四時間前にはチェックインを済ませるように書いてある。

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四時間前というのはあんまりだろう....とオレは一応国内線の飛行機同様一時間半前に行く事にしたのだが、乗船場所の15埠頭がわからなかった。チケットには何故か15埠頭では無く、サウスハーバーと書いてあった(結局は同じ場所の事なのだが)。旅行代理店に確認し、地図でも再度確認すると場所はマニラホテル裏と解り易い場所で、土曜の朝マカティーからタクシーで行っても20分もかからずに到着した。

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結局乗船時間は出航の一時間半前だったので、綺麗ではあるが何も無い待合室で待たずに船に乗る事が出来たのだが、待合室から乗船場所に移動しながら眺めた船体は「デカイ!!」の一言だった。

近くで見るスーパーフェリーは五階建てのビル程の高さがあり、横幅も十分で、ほぼ垂直にそそり立つ船体は兎に角デカかった..........

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乗船すると、エスカレーターを上がり、小奇麗なフロントデスクでキーを受け取り部屋に向かった......

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フェリーに乗ってから掲示されていた全船図を見るとスイートルームは一艘に左右2部屋しか無い......すぐ隣にはスイートの1階級下のステートルームが数部屋並んでいるのだが、部屋を見比べて見ると、スイートより一回り小さく、ベットの仕様がフロアーじか置きで、ソファー類が無い。

スイートルームの仕様そのものは、日本の地方都市にある古いビジネスホテルのツインルーム...と言った感じだろうか。

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しかし、残念ながらシャワールームは広さはあるものの、タイルや壁のパネル目地がカビていてちょっとスイートルームのイメージからは程遠い感が否めなかったのが残念?

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つづく...........

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